後遺障害申請のポイント
高次脳機能障害の後遺障害申請で気を付けるべき点
1 高次脳案件の申請のタイミング
基本的には、最低1年くらいはリハビリを続けてから、症状固定にしてもらい、後遺障害申請をした方が無難といえます。
2 定期的な画像撮影の必要性
主治医が高次脳機能障害の症状が「たいしたことない」と判断していても、必ず定期的に画像撮影(CT、MRIなど)と必要な検査を受けておくべきです。
主治医が、あまりにも症状を軽視している場合には、転院やセカンドオピニオンを求めることも検討に入れるべきでしょう。
3 後遺障害診断書等作成について
⑴ 後遺障害診断書など
医師には、①後遺障害診断書、②頭部外傷後の意識障害についての所見、③神経系統の障害に関する医学的意見の3つの書類を作成してもらうことになります。
⑵ ④日常生活状況報告
家族の方には、「日常生活状況報告」という書類を作成してもらいます。
高次脳機能障害の等級は、この書類で決まるといっても過言ではありません。
ただし、医師の書く診断書とある程度整合していることが最低条件となります。
⑶ ⑤学校生活の状況報告
被害者が学生の場合には、担任の先生などに、「学校生活の状況報告」という書面を書いてもらうこともあります(提出は任意)。
この書面は、担任がご家族の方を気遣って、被害者の症状を遠慮がちに書いてしまう場合があるので注意が必要です。
遠慮がちに書かれたまま提出してしまいますと、本来認定されるべき等級よりも低い等級が認定されてしまうこともありえます。
4 感覚器(眼、耳、鼻、口)の後遺障害について
高次脳機能障害が疑われる案件は、頭部にケガを負っていますので、同時に眼、耳、鼻、口に後遺障害が残っているかもしれません。
視力低下、複視、聴力低下、嗅覚脱失ないし減退、味覚脱失ないし減退などの後遺障害が残っている可能性があります。
高次脳機能障害に目を奪われがちですので、感覚器の障害についても注意が必要です。
高次脳機能障害以外に、感覚器についても13級以上の等級が認定された場合、等級が併合されて高次脳機能障害の等級が繰り上がることになり、後遺障害慰謝料の金額が跳ね上がることになります。
5 保険会社対策、証拠作りの重要性
被害者側で後遺障害申請をすることを被害者請求といいますが、被害者請求を行って高い等級が獲得できた場合、示談交渉のときに、保険会社が、自賠責が認定した等級は高すぎるとして争ってくることがあります。
その際に有効な対策としては、事故直後からの被害者の症状を正確に記録し続けておくことです。
簡単なメモで構いませんので、記録し続けておくことで、それが裁判などで有力な証拠となる場合もあります。
特に、症状固定時以降の被害者の症状について、事故前と事故後で変わってしまった内容(言動、行動や性格など)を記録し続けておくことをおすすめいたします。
6 弁護士法人心までご相談を
高次脳機能障害や後遺障害申請については、馴染みがなくよく分からないという方がほとんどかと思います。
より具体的なアドバイスは、高次脳機能障害案件を豊富に扱った経験のある当法人の弁護士までご相談ください。