「高次脳機能障害の損害賠償金(示談金)」に関するお役立ち情報
高次脳機能障害になった場合どのような賠償金を受け取れるか
1 高次脳機能障害になった場合の賠償金の損害項目
交通事故よって高次脳機能障害になった場合の賠償金の損害項目は、治療費、入院雑費、通院交通費、付添費用(入院付添費、通院付添費、自宅付添費)、休業損害、将来介護費、家屋改造費、傷害慰謝料、逸失利益、後遺障害慰謝料等です。
これらの損害が発生するかどうか、また、発生する場合の損害額は、高次脳機能障害の症状や程度、事故の前後の就労状況や生活環境等によって、被害者ごとに異なります。
例えば、一人で電車に乗って通院することができる被害者は通院付添費が発生しません。
重度の高次脳機能障害とともに身体の機能障害も残り、車椅子の生活を余儀なくされると、自宅をバリアフリー化するための家屋改造費が発生します。
また、特に逸失利益と後遺障害慰謝料の金額は、認定される後遺障害等級により大きく異なります。
2 高次脳機能障害になった場合の後遺障害慰謝料
高次脳機能障害の後遺障害等級は、症状の内容や程度に応じて6つの等級に分類されます。
裁判実務における等級ごとの後遺障害慰謝料の目安は、下表のとおりです(自動車損害賠償保障法施行令2条の別表第一と別表第二、「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」参照)。
等級 | 後遺障害 | 慰謝料 |
(別表第一) 1級1号 |
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの | 2800万円 |
(別表第一) 2級1号 |
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの | 2370万円 |
(別表第二) 3級3号 |
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの | 1990万円 |
(別表第二) 5級2号 |
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの | 1400万円 |
(別表第二) 7級4号 |
神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの | 1000万円 |
(別表第二) 9級10号 |
神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの | 690万円 |
3 高次脳機能障害になった場合の逸失利益
逸失利益は、基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数によって算出します。
基礎収入は、原則として、被害者の事故時の年収を基礎とします。
労働能力喪失率の目安は、1級~3級は100%、5級は79%、7級は56%、9級は35%です。
労働能力喪失期間は、原則として、症状固定時の年齢から67歳までの期間です。
4 高次脳機能障害に強い弁護士法人心にご相談ください
高次脳機能障害になった場合の賠償金は、被害者の状況によりさまざまですから、適切な賠償金を受け取るためには、高次脳機能障害を得意とする弁護士法人心にご相談ください。
高次脳機能障害案件は裁判になりやすいのか 高次脳機能障害の症状と後遺障害