「高次脳機能障害の後遺障害」に関するお役立ち情報
びまん性軸索損傷の後遺障害
1 びまん性軸索損傷とは?
びまん性軸索損傷とは,医学的にはDiffuse axonal injury(DAI)
と言われますが,脳の神経細胞を形成する細胞体と樹状突起とをつなぐ軸索が,外傷等を原因として伸長したり,裂傷が生じたり,重度の場合には完全裂傷となってしまう場合を指します。
2 びまん性軸索損傷の検討
びまん性軸索損傷は,事故直後のCT及びMRI画像では一見して正常に見えることが少なくなく,画像を詳しく精査することが必要となります。
そして,びまん性軸索損傷が生じている場合,脳内に点状出血をしていることが多く,脳室内出血やくも膜下出血を伴いやすいので,これらの所見が画像から見出せないか注意深く検討する必要があります。
3 びまん性軸索損傷により後遺障害が認定される場合
びまん性軸索損傷により高次脳機能障害が生じた場合は,後遺障害が認定される場合があります。
高次脳機能障害とは,脳に損傷を負った結果,記憶力の低下,集中力の低下,社会的に問題のある行動を起こすようになるなど,様々な神経心理学的障害が生じることを指します。
高次脳機能障害が生じた否かは,①事故により頭部外傷が生じたこと,②受傷後の意識障害の存在,③症状を裏付ける画像上の所見があること,④認知障害及び行動障害,人格変性などの症状が生じていること,が基本的な判断要素となります。
びまん性軸索損傷が生じた結果,①~④が認められ,高次脳機能障害と判断されれば,後遺障害が認められる可能性があります。
4 高次脳機能障害の等級
高次脳機能障害が交通事故の後遺障害として認定される場合,自賠責の後遺障害等級のうち次の等級に分類されます。
- ・9級 「神経系統の機能又は精神に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」
- ・7級 「神経系統の機能又は精神に障害を残し,軽易な労務以外の労務に服することができないもの」
- ・5級 「神経系統の機能又は精神に障害を残し,特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの」
- ・3級 「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,終身労務に服することができないもの」
- (以上が自賠責後遺障害等級別表第2)
- ・2級 「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,随時介護を要するもの」
- ・1級 「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,常に介護を要するもの」
- (以上が同別表第1)
5 適切な後遺障害等級獲得のために
以上のとおり,高次脳機能障害が生じてしまったとしても認定される等級は様々です。
後遺障害の申請を弁護士に依頼せず,適切な方法で後遺障害申請をしなければ,不当に軽い等級が認定されてしまう危険性もあります。
そこで,交通事故によりびまん性軸索損傷が生じ,高次脳機能障害となった場合は,高次脳機能障害での後遺障害獲得について実績のある弁護士に依頼されることをお勧めいたします。
もちろん,弁護士法人心では,高次脳機能障害での後遺障害獲得の豊富な実績がございます。
一度,弁護士法人心にご相談ください。
高次脳機能障害と後遺障害7級4号 高次脳機能障害の後遺障害慰謝料と等級認定の重要性