「東海地方にお住まいの方」向けのお役立ち情報
岐阜で高次脳機能障害について弁護士への相談をお考えの方へ
1 岐阜の方は当法人にご相談ください
弁護士法人心 岐阜法律事務所は、JRの岐阜駅からは徒歩3分、名鉄岐阜駅からは徒歩2分の場所に位置しているため、電車などの公共交通機関でのアクセスが良好です。
高次脳機能障害については、お電話でのご相談も承っておりますので、普段あまり岐阜駅を利用しないという方や、外出が難しいという方は、電話相談をご利用ください。
来所・電話どちらのご相談の場合も、フリーダイヤルまたはメールフォームからご相談のお申込みを受け付けておりますので、まずはお問い合わせください。
2 高次脳機能障害について弁護士に相談するタイミング
当法人では、交通事故に遭った直後からご相談を承っております。
高次脳機能障害という診断を受け、今後の生活を不安に思われている方はもちろん、高次脳機能障害という診断を受けていない段階であっても、交通事故に関するお困りごとやお悩み、不安が生じた際は、当法人にご相談ください。
早い段階からご相談していただきますと、症状を医師にどのように伝えればいいのか等のアドバイスをさせていただくことができます。
また、適正な後遺障害等級の認定に向けて、どういった書類が必要でどのような点に注意が必要なのか等、アドバイスやサポートをさせていただくことができます。
相談のタイミングで悩まずに、お悩みが生じたタイミングでどうぞお気軽にご相談ください。
3 高次脳機能障害は当法人にお任せください
高次脳機能障害に関する損害賠償請求や後遺障害等級の申請には、かなり専門的な知識が求められます。
そのため、弁護士の中でも高次脳機能障害について適切な対応ができる弁護士はあまり多くありません。
しかし、当法人では高次脳機能障害のような高度な後遺障害案件にも対応できるように、「後遺障害チーム」を作り、依頼者の方が適切な賠償を得られるように取り組んでいます。
チーム内には、高次脳機能障害に詳しい弁護士やスタッフがおり、情報共有を頻繁に行うほか、研修を行うなど日々研鑽に努めています。
安心して高次脳機能障害のお悩みをご依頼いただけるよう取り組んでおりますので、岐阜で高次脳機能障害についてお悩みの方はどうぞ当法人までご連絡ください。
松阪で高次脳機能障害について弁護士へのご相談をお考えの方へ 各務原にお住まいの方の高次脳機能障害に関する弁護士のサポート
高次脳機能障害の示談で争点となりやすいもの
1 労働能力喪失率
高次脳機能障害で後遺障害が認定される場合、日常生活において常時介護が必要な場合は1級、随時介護が必要な場合は2級が認定されます。
日常生活において介護が必要とまでは認定できないが、労働能力に影響が出る場合は、労働能力の喪失の程度に応じて3級、5級、7級、9級があります。
3級は「終身労務に服することができないもの」、5級は「特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの」、7級は「軽易な労務以外の労務に服することができないもの」、9級は「服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」と定められています。
1~3級は労働能力喪失率は100%、5級は79%、7級は56%、9級は35%とされています。
そして、自賠責保険で後遺障害等級が認定された場合、後遺障害等級に従って、基礎収入に労働能力喪失率、労働能力喪失期間を乗じて後遺障害逸失利益を算定するのですが、相手方から、「自賠責保険では〇級が認定されているが、実際には〇級が定めるほどの労働能力喪失率は生じていない」として、自賠責保険において認定された等級よりも低い等級の労働能力喪失率での算定を主張されることがあります。
この場合は、被害者の普段の生活における具体的な支障等を説明して、認定された等級に見合う労働能力喪失が現実に生じていることを説明し、交渉しなければなりません。
2 労働能力喪失期間
通常、高次脳機能障害で後遺障害が認定された場合、労働能力の喪失は生涯続くもの、として後遺障害逸失利益を算定します。
しかしながら、相手方から、労働能力の喪失が生涯続くことまでは考え難く、現在より多少改善し、どこかのタイミングで就労も可能になることが考えられるとして、労働能力喪失期間を短期にする主張をされることがあります。
このような場合は、医師に将来的な改善可能性を聞くなどして、労働能力喪失は生涯続くことを立証しなければなりません。
3 将来の介護費用
最も争点になることが多いかもしれないのが、この将来の介護費用です。
先ほど説明した通り、1級、2級が認定された場合は介護が必要であることが前提ですので、将来に亘る介護費用を請求しなければなりません。
その際、親族による介護か、職業人による介護が必要なのか、その場合の介護の日額はどの程度が相当なのかで争点になります。
また、介護の日額もよく争点になります。
職業人による介護の場合は実費ベースで介護日額が決められることが多いですが、親族による介護の場合は日額がよく争点となります。
将来の介護費用を請求する際には、症状固定時の状況だけでなく、将来における状況の変化の可能性(最初は親族による介護が可能であるとしても、親族が高齢となった後には職業人による介護が必要になる等)も想定して、請求しなければなりません。
4 当法人にご相談ください
交通事故に遭い、高次脳機能障害が残った被害者の方やそのご家族の方は、加害者側と示談交渉を始める際には、弁護士法人心 岐阜法律事務所へご相談ください。
適切な高次脳機能障害の賠償を得るためには
1 高次脳機能障害の概要
交通事故で脳が損傷した場合、脳機能に支障が生じることがあります。
具体的には、忍耐力がなくなる、怒りっぽくなる、集中力がなくなる、記憶力がなくなる、思考力がなくなる、性格が変わる等です。
生じる症状と程度は様々ですが、これらを高次脳機能障害と呼称しています。
2 脳の画像検査
賠償を得るには、高次脳機能障害が交通事故によって生じたことを証明しなければなりません。
そのために必要となるのが、CTやMRI等による脳の画像検査です。
検査の実施や検査結果の解析は、専門家である医師に委ねるほかありませんが、画像上において脳損傷・脳内出血が確認できるかにつき、適宜説明を求めておくべきでしょう。
3 事故前と事故後の変化の観察
事故と関係なく、怒りっぽい人・集中力のない人は少なからずいます。
そのため、事故によってこうなったと主張するのであれば、事故前の状態と事故後の状態を比較する必要があります。
脳機能の障害であることから、被害者本人は、事故前に比べて変わったという自覚がないことが多いです。
そのため、ご家族・職場や学校の関係者等、事故以前の被害者をよく知っている方の協力が必要です。
具体的には、事故前はこうだったのが事故後にこう変わった、事故前は出来ていたのが事故後はできなくなった・下手になった等を細かく書面に落とし込んでいくことが求められます(※ 専用の書式があります)。
4 専門家の協力
高次脳機能障害は後遺障害の中でも難解なものの一つで、保険会社・共済の担当者でもよくわかっていない方が少なくありません。
高次脳機能障害が認定されるか否かは、賠償金の額に大きな影響を及ぼします。
そのため、適切な認定を受ける必要がありますし、自賠責における認定が得られないなら、訴訟による認定も検討すべきです。
そうなると、被害者及び周りの方々だけでは難しいので、弁護士に依頼して協力を仰ぐことを推奨します。
高次脳機能障害となった場合の示談の時期について
1 高次脳機能障害とは
脳外傷に起因して、認知障害(記銘力・記憶・見当識障害、遂行機能障害など)と情動障害・社会行動障害(攻撃性、易怒、不機嫌、感情易変、脱抑制、幼稚性、羞恥心減退等)が生じ、人格変化を来すことがあります。
このような症状は、高次脳機能障害として広く知られています。
高次脳機能障害は、交通事故直後に一挙的に生じるわけではなく、第三者目線でわかりづらいほか、症状の固定までに数か月を要することもあります。
リハビリによる症状改善とその経過観察も併せると、1年を超えることもあり得ます。
2 高次脳機能障害の示談開始時期
傷病の示談交渉は、原則として症状固定後となります。
前述のとおり、治療に長期間を要することから、高次脳機能障害の示談開始時期は通常の傷病と比べ、遅くなることは否めません。
また、高次脳機能障害は、脳外傷に起因するところ、死滅した脳細胞が復活・増殖することは基本的にないとされているため、症状固定時に大なり小なり症状が残存するのが通例です。
交通事故において残存した症状については、後遺障害の審査及び等級認定を受けることになりますが、高次脳機能障害の場合、申請から結果通知まで数か月(半年を超えることもあり)を要することになります。
このように審査にかなりの時間を要する理由としては、大きく3つ考えられます。
1つ目は、高次脳機能障害の評価・判断自体、容易でないからです。
2つ目は、高次脳機能障害の申請には、後遺障害診断書だけでなく、頭部外傷後の意識障害に関する所見、神経系統の障害に関する医学的所見、日常生活状況報告等の添付資料が求められ、画像も含めると相当数の資料の精査を要するからです。
3つ目は、高次脳機能障害の最終判断は、自賠責保険(共済)審査会高次脳機能障害専門部会が行っていますが、この組織は現時点で全国に1つしかないからです。
3 まとめ
以上のように、高次脳機能障害が症状固定となり、残存症状について後遺障害認定が出るまで相当な期間を要することから、本格的な示談開始の時期は、事故から大分後になるのは間違いありません。
もっとも、事件ごと、被害者ごとに、その期間は異なりますので、主治医の所見を仰ぎながら、慎重に経過を見ていく必要があるでしょう。
高次脳機能障害になった場合の症状固定
1 高次脳機能障害について
交通事故で頭部を強打したり、回転系の強い力が加わったりすると、脳が損傷して、後遺障害が残ることがあります。
脳は、運動や感覚のほか、高次の精神機能等を司っており、脳が損傷することによって発症する後遺障害の内容は多様です。
典型的なものとしては、注意障害(集中力がなくなる、注意が散漫になる等)、記憶障害(長い話の内容を整理して覚えられない、約束や予定を忘れてしまう等)、人格変化(怒りっぽくなる等)、意欲低下(やる気が出ない、無関心になる等)、認知障害(その場に応じた適切な行動ができない、相手の気持ちを読み取れない等)があげられ、どれとどれが問題となるかは人によって異なります。
2 高次脳機能障害における症状固定
症状固定を簡潔に述べると、これ以上治療しても良くならない、一進一退の状態ということです。
相手方の賠償責任は、基本的に症状固定までとされていることから、賠償実務において重要な意味を持ちます。
高次脳機能障害も、どこかの時点で症状固定となりますが、どの時点で症状固定となるかは、受傷者ごとに異なります。
殊に高次脳機能障害は、通常、治療の効果を見極めるのにかなりの時間を要するためか、事故から1年を超えることも珍しくありません。
高次脳機能障害でやっかいなのは、受傷者本人に自覚がないことが多々あることです。
すなわち、周囲の人は「事故前と(大きく)変わった」と評価しているのに対し、本人は「事故前と(大して)変わっていない」と考えているということです。
そのため、高次脳機能障害の推移と症状固定に関しては、家族ら周囲の方がよく観察して適切な助言をしてあげることが必要です。
高次脳機能障害が生じるほどの重大事故に遭っている場合、高次脳機能障害以外の症状が複数発現し、それらが完治せずに後遺障害になることも珍しくありません。
異なる部位に複数の症状がある場合、症状固定時期がすべて一致するとは限りません。
そのため、受傷者本人の自覚症状の推移、及び、各症状の専門医の所見を確認しつつ、それぞれについて適切な症状固定時期を見極めることが重要と思われます。
3 当法人にご相談ください
当法人の事務所は岐阜にもあります。
高次脳機能障害やその症状固定に関してお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
高次脳機能障害における当法人の強み
1 高次脳機能障害とは
文字どおり「脳」に関する後遺障害です。
脳は、運動や感覚のほか、高次の精神機能等を司っており、頭部外傷によって脳神経が損傷すると、様々な障害が発現することになります。
典型的なものとしては、注意障害(集中力がなくなる、注意が散漫になる等)、記憶障害(長い話の内容を整理して覚えられない、約束や予定を忘れてしまう等)、人格変化(怒りっぽくなる等)、意欲低下(やる気が出ない、無関心になる等)、認知障害(その場に応じた適切な行動ができない、相手の気持ちを読み取れない等)があげられ、人によってどれとどれが問題となるかは異なります。
症状の重さも、仕事や日常生活に若干支障がある程度から、1人では生活していくことができない程度まで様々です。
2 当法人の強み
当法人は、これまで多数の交通事故に基づく後遺障害申請を行っており、その中には高次脳機能障害も複数含まれます。
これまでの経験の蓄積から、より精度の高い見通しを立てることが可能となっています。
高次脳機能障害の申請には、通常の後遺障害に比べて多くの資料を添付する必要があります。
その資料には、医師が作成すべきもののほか、被害者家族が作成すべきものが含まれています。
これらの内容が不適切であれば、後遺障害審査に悪影響を及ぼすことになりますが、初めて書く+分量が多い+内容が専門的であることから、記載例を見るだけでスラスラかける人は僅かであろうと予想されます。
当法人には、このような資料の作成について、十分な経験・ノウハウがあるため、十分なフォローを行うことが可能です。
当法人には、後遺障害審査を行う損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)出身の社員が複数在籍しております。
そのため、審査担当者の傾向や内部の仕組みについて、ある程度は把握しており、高次脳機能障害が認定されるにはどのような事情が必要かというポイントを掴んだ上で、手続きを進めていくことができると思われます。
3 終わりに
岐阜にも当法人の事務所がありますので、高次脳機能障害を含む後遺障害でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
高次脳機能障害における介護費用について
1 高次脳機能障害の場合に介護費用を請求できる場合がある
交通事故で脳を損傷すると、言語障害、記憶障害、人格変化などの障害が生じ、日常生活を送る上での社会的能力が減退することがあります。
これを高次脳機能障害といいます。
高次脳機能障害が重度である場合には、寝たきりであったり、寝たきりでなくても、身の回りの世話が必要な状態となる場合があります。
このような介護・看護を要する場合には、将来的にも介護についての費用の支出が予想されるため、将来介護費用として損害賠償が認められることがあります。
2 介護の必要性があること
将来にわたって介護を受ける必要性(「介護の必要性」)があることが前提となります。
これは、具体的な後遺障害の内容や程度などを考慮して判断します。
後遺障害等級1級及び2級は、要介護状態にあることが認定基準とされているため、通常、介護の必要性が認められます。
3級以下の場合であっても、高次脳機能障害の内容や程度により、見守りや声かけが必要である場合には、介護の必要性が認められることがあります。
3 介護費用の計算方法と目安
⑴ 計算方法
1日あたりの介護費用×365日×介護期間の年数に対応するライプニッツ係数
⑵ 1日あたりの介護費用の目安
近親者が介護する場合と職業的介護者を想定するかで目安額は異なります。
事案によっては、近親者介護と職業的介護の両者が必要とする場合もあり、その場合には、それぞれについて請求します。
近親者介護により常に介護を必要とする場合には、8000円から9000円程度が目安となりますが、具体的看護状況により、増減します。
職業的介護者の場合には、近親者介護よりも高くなり、日額2万円を超える金額を認定した裁判例もあります。
⑶ 立証のポイント
後遺障害の内容、程度、生活状況、介護を必要とする時間、介護の負担の程度などの事情について、医師の意見書、カルテ等の医療記録、生活状況についての報告書などから丁寧に立証する必要があります。
立証に必要な事項がカルテに全て記載されるわけではありませんので、病院に全てお任せにするのでなく、ご家族においても、受傷初期から、被害者の症状や生活状況などについて詳細をメモしておくことが望ましいです。
4 交通事故に精通した弁護士にご相談ください
高次脳機能障害の事案では、将来介護費は高額となりやすく、任意保険会社としても強く争ってくることが多いです。
適切な将来介護費を獲得するには、介護の必要性の有無・程度や介護費用の相当性などについて、根拠づける資料を十分に収集し、説得的に主張・立証してかなければなりません。
したがって、高次脳機能障害の事案では、保険会社に言われるままに進めるのでなく、交通事故に精通した弁護士にご相談することをお勧めします。
5 当法人にご連絡ください
当法人では、高次脳機能障害の案件を数多く取り扱った実績があり、適切な賠償金額の獲得に向けて徹底して取り組んでいます。
交通事故で脳を損傷した場合には、高次脳機能障害が問題となる可能性がありますので、お早めに、弁護士法人心 岐阜法律事務所にご連絡ください。
高次脳機能障害になった場合の家屋改造費
1 高次脳機能障害の場合に家屋改造費を請求できる場合がある
交通事故で脳を損傷すると、言語障害、記憶障害、人格変化などが生じ、日常生活を送る上での社会的能力が減退することがあります。
これを高次脳機能障害といいます。
高次脳機能障害が重度である場合には、日常生活を送る中で様々な困難が生じるようになるため、それを回避するために、障害者向けの住宅のように建物を改築したり、新築する必要が生じることがあります。
このような費用を家屋改造費といい、交通事故の損害として賠償請求できる場合があります。
2 改造等の必要性と支出額の相当性が認められること
家屋改造費については、内容にもよりますが、一般的に多額になることが多いです。
そのため、ご本人の症状に照らして、建物を改築等する必要(「改造等の必要性」)があるか、また、支出額は相当か(「支出額の相当性」)争われることが少なくありません。
仮に、ご本人の症状に照らして改造等の必要性が認められなければ、その部分は賠償に含まれません。
ご本人の症状に照らして改造等の必要性が認められたとしても、改築等によってご家族も便益を得ていると評価されると、その分減額されることがあります。
例えば、エレベーターの設置をした場合には、ご本人だけでなく、ご家族も利用し便益を受けるといえるため、エレベーターの設置費用について一定程度減額される可能性があります。
また、不要な高級仕様になっているような場合にも、支出額の相当性が問題となり、減額等されることがあります。
3 交通事故に精通した弁護士にご相談ください
家屋改造費が争われる場合は、事案に応じて適切に立証しなければなりません。
例えば、症状に照らし改造等の必要性があることを示すために、医師の意見書やカルテ、生活状況に関する家族の報告書、工事個所の図面や写真などが、また、支出額の相当性があることを示すために、本件工事の見積書や明細書、他の業者の見積書などを取り付ける必要があります。
このように適切な家屋改造費の獲得するためには、高い専門性が求められるため、交通事故に精通した弁護士に相談しましょう。
4 当法人にご相談ください
当法人では、交通事故を集中的に取り扱う弁護士らで交通事故チームを作り、適切な賠償金額の獲得に向けて徹底的に取り組んでいます。
高次脳機能障害や家屋改造費でお困りの場合には、お気軽に当法人にご相談ください。
高次脳機能障害で裁判になるケース
1 高次脳機能障害と裁判
高次脳機能障害の事案では、賠償額が高額になるため、保険会社が様々な点で争うことが多く、裁判になる場合が少なくありません。
とりわけ、後遺障害の等級、将来介護費及び逸失利益が争点となることが多いです。
2 後遺障害等級が争われる場合
高次脳機能障害の事案では、通常、自賠責保険による後遺障害等級認定の判断を得てから、保険会社に対して賠償請求します。
これに対し、保険会社は、医療記録や生活状況等から、自賠責保険の判断した等級認定に疑義があるとして、自賠責保険が認定した等級よりも下位の等級を主張してくることがあります。
このような場合、示談による解決を図ることが困難であるため、中立かつ公平な第三者である裁判所の判断を仰ぐために裁判になることがあります。
また、自賠責保険が適切な後遺障害等級認定をしなかった場合、適切な等級認定を求めて裁判になることもあります。
3 将来介護費用が争われる場合
高次脳機能障害により介護が必要な状態になったとして将来介護費を請求する場合、介護費用が高額になりやすいこともあり、介護の必要性や、介護の内容・程度の相当性で争われることがあります。
とりわけ、後遺障害等級3級以下の場合には、要介護状態にあることが等級認定の要件とされていないため、介護の必要性等が争点になりやすいです。
介護の必要性、介護の内容・程度の相当性が争点となる場合、後遺障害の認定資料、医療記録及び実際に介護に携わる人の陳述書などを踏まえ、生活実態や実際の介護の内容を示す必要があります。
これらを示談交渉で行うことはなじまず、裁判になる場合が少なくありません。
4 逸失利益について争われる場合
高次脳機能障害により要介護状態であることが明らかであれば、通常、労働能力喪失率で争いになりません。
他方、3級以下の場合、保険会社は、等級に応じた目安と異なる労働能力喪失率を主張してくることがあります。
この場合も、将来介護費と同様、多くの資料を踏まえ、労働への支障内容や生活状況などを示す必要があるため、裁判になる場合が少なくありません。
5 交通事故に精通した弁護士にご相談ください
裁判では、有利な証拠を収集して説得的に主張立証することが重要であり、一般の方では負担が大きいといえます。
そのため、交通事故に精通した弁護士にお早めに依頼されることをお勧めします。
当法人では、高次脳機能障害が問題となる事案を数多く取り扱い、適切な賠償金額獲得に向けて、徹底して取り組んできました。
高次脳機能障害でお悩みの方で、弁護士法人心 岐阜法律事務所までご連絡ください。
高次脳機能障害の慰謝料について
1 高次脳機能障害と後遺障害慰謝料
交通事故における高次脳機能障害は将来的に回復困難であるとして、後遺障害として位置づけられます。
したがって、高次脳機能障害が残ったことの精神的苦痛は、後遺障害慰謝料の問題として考えます。
2 後遺障害慰謝料額の目安
後遺障害慰謝料額は認定される等級に応じて大きく異なります。
高次脳機能障害で後遺障害の認定がなされる場合の等級及び目安額は次のとおりです。
重い順に、別表第1・1級1号2800万、2級1号2370万、別表第2・3級3号1990万、5級2号1400万、7級4号1000万、9級10号690万です。
これらの目安額は、裁判をした場合に参考にされるものであるから、裁判前の段階では、一定の譲歩した金額でないと示談できないことが少なくありません。
3 目安額を上回る後遺障害慰謝料額が認められることもある
事案によって、上記目安額を上回る後遺障害慰謝料が認定されることがあります。
例えば、高次脳機能障害以外にも、別の部位について後遺障害の等級が認定されていることも考慮した事案や、高次脳機能障害により事故前の職業を継続不可能になったことを考慮した事案などがあります。
また、事故態様が悪質であったり、事故後の行動が極めて悪質と評価できる場合に目安額を上回る慰謝料額を認められることもあります。
4 近親者慰謝料
被害者の父母、配偶者、子については、被害者が高次脳機能障害を負ったことに起因して、多大な精神的苦痛を被ることが考えられ、近親者としての慰謝料が認められることがあります。
要介護が等級認定の要件である1級1号や2級1号の場合であれば、介護への負担などの事情を考慮して、近親者慰謝料が認められやすいといえます。
3級以下であっても、介護、見守りなどを要するなど近親者の精神的負担が大きいといえる場合には、同様に近親者慰謝料が認められることがあります。
5 弁護士にご相談ください
高次脳機能障害の後遺障害については、弁護士が交渉しないと目安額を参考にした金額になりにくく、また、事案によっては、後遺障害慰謝料が目安額を上回るべき事情を主張立証していかなければなりません。
そのため、高次脳機能障害について適切な後遺障害慰謝料を獲得するには、交通事故に精通した弁護士にご依頼されることをお勧めします。
当法人では、高次脳機能障害の事案において、適切な等級認定や賠償金の獲得にこだわり、徹底して取り組んでいます。
高次脳機能障害について少しでもお悩みであれば、まずは、弁護士法人心 岐阜法律事務所までご連絡ください。
高次脳機能障害の逸失利益
1 高次脳機能障害と逸失利益との関係
脳外傷により、記憶障害、注意力障害、遂行機能障害及び社会的行動障害など生じるものを高次脳機能障害といいます。
この高次脳機能障害について、後遺障害等級認定がなされた場合には、交通事故に遭わなければ本来得られただろう将来の収入(これを「逸失利益」といいます。)の賠償を求めることができます。
2 逸失利益の計算方法
逸失利益は、「基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」の計算式で算出します。
このうち、「基礎収入」は、会社員であれば、事故前年度の源泉徴収票の総収入すなわち税引き前の金額となります。
「労働能力喪失率」は、後遺障害により失われる労働能力の程度のことであり、等級に応じて目安が定められています。
具体的には、1級から3級は労働能力喪失率100%、5級は79%、7級は56%、9級は35%が目安とされています。
「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」は、通常、症状固定時点から67歳までの就労可能年数を労働能力喪失期間とし、これに対応するライプニッツ係数を採用します。
3 具体例
令和2年4月1日以降に発生した交通事故であり、症状固定時点で30歳、事故前年度の年収500万円、後遺障害等級5級の認定がなされた場合を例に考えてみます。
この場合、基礎収入500万円×労働能力喪失率79%×労働能力喪失期間37年に対応するライプニッツ係数(22.1672)となり、逸失利益は8756万0440円となります。
4 高次脳機能障害の逸失利益で問題となりうる点
労働能力喪失率については等級に応じた目安で考えることが多いのですが、被害者の業種に照らしてとりわけ支障が大きい場合には目安よりも喪失率を大きく評価される場合もありますし、反対に、支障が小さければ目安よりも小さく評価されることもあります。
過少に評価されないよう、具体的支障内容を裏付ける立証活動が重要です。
5 弁護士にご相談を
高次脳機能障害の逸失利益について適切な補償を得るためには、まずは、適切な等級認定を獲得しなければなりません。
高次脳機能障害でお困りの方は、どうぞ弁護士法人心 岐阜事務所にご相談ください。
高次脳機能障害の等級認定に不服がある場合の手続き
1 高次脳機能障害の等級認定
交通事故で高次脳機能障害が残った場合、後遺障害等級認定を求めて申請を行うことができます。
仮に、等級認定の結果に対して不服がある場合には、適切な等級認定の獲得に向けて手続きを進めていかなければなりません。
等級認定に不服がある場合の手続きには、以下のものがあります。
2 異議申立て
自賠責保険会社の等級認定の判断に対して不服がある場合に、前回の判断内容が相当でないとして、再度、自賠責保険会社に対して再考を求めるものです。
異議申立ての回数に制限はありませんが、前回と同じ資料では同様の判断がなされる可能性が高いため、新たに証拠資料とりわけ医証の追加提出を検討する必要があります。
異議申立ての手続費用は無料であり、また、書面審査のため原則として出向く必要がありません。
また、後遺障害の損害で自賠責保険に対して請求する場合、症状固定時から3年で時効にかかりますが、自賠責保険会社へ異議申立書を提出すると時効が中断します。
他方、損害賠償の時効を更新する効力はないので、注意が必要です。
3 紛争処理機構への申立て
同じく、自賠責保険会社の等級認定の判断に不服がある場合、紛争処理機構へ紛争処理の申請をすることができます。
紛争処理機構は、自賠責保険の損害認定における最終機関です。
したがって、紛争処理機構への申立ては1回しかできず、仮に、その判断に不服があったとしても、再度、紛争処理機構に申し立てることができません。
紛争処理機構の申立費用は原則無料であり、また、書面審査のため出向く必要がありません。
後遺障害における紛争処理機構への申立ては、自賠法の時効が適用され、症状固定から3年で消滅時効にかかります。
損害賠償の時効を更新する効力はありません。
4 訴訟提起・上訴
自賠責保険会社や紛争処理機構の判断に不服がある場合には、訴訟提起し、裁判所に等級認定の判断を仰ぐことができます。
異議申立てや紛争処理機構と異なり、書面審査ではないため、充実した審理が期待できる反面、長期化することが多いです。
また、裁判は三審制であるため、判決に不服があれば上訴することができます。
5 弁護士にご相談ください
高次脳機能障害の事案で、一旦判断された等級認定を争うのは容易ではなく、各認定基準についての深い理解や等級認定に対するノウハウが求められます。
高次脳機能障害でお困りの場合には、お気軽に弁護士法人心 岐阜法律事務所までご連絡ください。
高次脳機能障害の等級申請の流れ
1 高次脳機能障害の等級申請
交通事故で脳を損傷したことで、記憶障害、注意障害や人格の変化などの障害が生じ、社会生活における能力が減退することがあります。
このような障害を高次脳機能障害といい、治療による症状改善が見込まれない状態(「症状固定」といいます。)に至れば、後遺障害等級認定の申請手続を進めることになります。
以下、高次脳機能障害の等級申請の流れについてご説明します。
2 症状固定まで
⑴ 症状固定までは、ご家族が、被害者の様子の変化を記録することが大切です。
高次脳機能障害の等級認定では、事故前後の日常生活の変化の内容・程度が考慮されるからです。
退院後のみならず、入院中の段階でも、記憶障害、注意障害、人格の変化などを窺える言動があれば、些細なことでも記録するようにしましょう。
⑵ 症状固定までの期間は事案ごとに異なります。
一般的には、社会生活における能力がどの程度減退したか把握するため、受傷から1年程度経過を見てから症状固定となることが多いです。
仮に、障害の程度が大きく、寝たきりの状態であれば、症状改善の見込みがないことが早期に明らかとなるため、受傷から数か月で症状固定になることもあります。
3 症状固定から申請まで
⑴ 症状固定となると、申請手続の準備に行います。
申請手続には、「事前認定手続」と「被害者請求手続」の2つがあります。
保険会社に資料の収集・作成や申請手続を任せる「事前認定手続」の方法ではなく、被害者側でこれらを行う「被害者請求手続」の方法で進めることが大切です。
保険会社は、相手方の立場にあるため、資料の収集・作成などについて最善を尽くすとは限らないからです。
⑵ 被害者請求手続きによる場合、必要書類を作成・収集します。
必要書類には、ご家族等が作成するものに「日常生活報告書」、主治医が作成するものに「神経系統の障害に関する医学的意見」や「頭部外傷後の意識障害に関する所見」があります。
いずれも等級認定にあたり重要な書類であるため、被害者の症状が適切に反映されるようにしなければなりません。
主治医は退院後の生活状況を正確に把握していないため、ご家族は医師と意思疎通を図り、被害者の状況についてしっかりと情報共有に務めることが大切です。
上記3つの書類以外にも、例えば、職場の就労状況について同僚に陳述書を作成してもらうなど、等級認定に有利に働きそうなものがあれば、積極的に取り付けましょう。
4 認定結果
等級認定の申請から認定結果が出るまでに通常数か月要します。
等級認定の調査の一環として、医療機関への照会などが行われると、さらに時間を要することもあります。
等級認定の結果に不服がある場合には、異議申立手続、紛争処理機構への申立て、及び、訴訟提起など複数の選択肢があり、事案ごとに適切な方法を選択することになります。
5 弁護士にご相談
高次脳機能障害の事案で適切な等級認定を獲得するためには、各認定基準について十分に理解し、等級認定のポイントなどノウハウが必要です。
当法人では、損害料率算出機構の元職員と弁護士で交通事故チームを作り、これまで多くの高次脳機能障害の案件について、適切な等級認定を獲得してきました。
高次脳機能障害でお困りの場合には、お気軽に弁護士法人心 岐阜事務所までご連絡ください。
高次脳機能障害について相談する弁護士を選ぶポイント
1 高次脳機能障害について適切な等級認定を獲得する重要性
高次脳機能障害の事案では、被害者のご家族など周囲の方の負担が大きく、症状の程度によっては、将来の介護費や家屋の改造費など多額の支出を余儀なくされることもあります。
これら支出は交通事故に遭わなければ発生しなかったのであるから、加害者側から適切な賠償金額を獲得しなければなりません。
そのためには、次のポイントを押さえて、高次脳機能障害で相談する弁護士をしっかりと選ぶ必要があります。
2 解決実績が豊富であること
高次脳機能障害の等級認定基準は複雑であり、正確に理解するには、高度な医学的知見も求められます。
また、提出書類には、ご家族等に書いていただく「日常生活状況報告書」のほか、医師が作成する「神経系統の障害に関する医学的意見」など多数あり、被害者の方の実際の症状を反映されているか、書類に不備がないかなども慎重に確認しなければなりません。
これら書類には、実際の症状が反映されずに、過少に記載されることも少なくないため、とりわけ注意が必要です。
このように、複雑な等級認定基準を把握し、提出書類を適切かつ正確に準備するには、数多くの高次脳機能障害の案件を経験して蓄積したノウハウが必要です。
3 研鑽を積んでいること
高次脳機能障害の認定基準は複雑であるだけでなく、実務上の運用が変更される可能性があります。
例えば、平成28年5月31日に「自賠責保険における高次脳機能障害の認定システムの充実について」という報告書が作成されており、従来の運用における問題点について議論した結果が記載されており、運用の指針の一つとして位置づけられています。
今後も、同様に認定システムの実務の運用について変更等があれば、早期かつ正確に把握しなければ、適切な等級認定を獲得することはできません。
よって、高次脳機能障害について、最新の動向に注意して研鑽を積んでいることも大事なポイントです。
4 しっかりとコミュニケーションをとれること
自賠責保険における後遺障害の審査は原則として書面にて行われます。
提出書面に不備があってはならないのはもちろん、依頼者の症状が誤解される内容であってもいけません。
そのため、申請書類の収集・作成では、依頼者と密に連携して進める必要があります。
とりわけ、高次脳機能障害の事案では、事故前後の状態や変化などが考慮されるため、被害者のご家族との連携が重要となります。
したがって、依頼者やご家族としっかりとコミュニケーションをとれる弁護士であることも大切です。
5 弁護士法人心 岐阜法律相談所にご連絡ください
当法人では、損保料率機構の元職員や交通事故を集中的に取り扱う弁護士で作る交通事故チームがあり、日々研鑽を積みながら、ホームページに掲載のとおり、数多くの高次脳機能障害の事案で適切な等級を獲得してきました。
高次脳機能障害が残ってしまった場合に適切な等級や賠償を受けられるように、受傷直後から、ご家族との連携し、手厚いサポートを行っていきます。
脳を損傷する怪我を負った場合には、お気軽に弁護士法人心 岐阜法律事務所にご連絡ください。
子どもが高次脳機能障害になった場合
1 高次脳機能障害とは
交通事故で脳に外傷を受けた場合、記憶力が低下する、注意力が散漫になる、集中力が低下する、性格が変化する、周囲との衝突が多くなるなどの障害が生じ、職場や学校などの社会生活が困難になることがあります。
このような症状を高次脳機能障害といいます。
交通事故により高次脳機能障害が残った場合には、自賠責保険で後遺障害の認定対象となります。
自賠責保険における高次脳機能障害の後遺障害等級はその程度により、自賠法施行令別表1では、1級と2級、別表2では、3級、5級、7級、9級、が設けられています。
高次脳機能障害は、完治ができず、将来にわたり症状が残ることが多いため、社会生活における障害も一生涯続く可能性を考えなければなりません。
そこで、適切な等級認定を受け、適切な賠償金を支払ってもらう必要性は極めて大きいです。
しかし、高次脳機能障害は、目で見てすぐにわかる症状ではないため、外部の人間からは発見がそもそも困難であったり、発見できたとしてもどのように申請手続を進めたらよいのかといった難しい問題があります。
子どもが被害者の場合には、症状の発見が大人に比べてさらに困難であり、ある程度の年齢になってから初めて症状が出ることもあるくらいなので、とりわけこれらの点に注意が必要です。
2 高次脳機能障害を見落とす場合がある
高次脳機能障害の診断は、まずはCT検査やMRI検査です。
これらの検査で、画像上に脳出血や脳挫傷痕が確認できれば、外傷に伴う脳損傷は確認しやすいです。
しかし、CT検査やMRI検査ではびまん性軸索損傷を確認することは難しいです。
びまん性軸索損傷とは、大脳白質内部に張り巡らされた神経コードの広範な断絶が推定される症状ですが、神経コードそのものはCT検査やMRI検査では撮影できないのです。
そのため、事故後ある程度経過した時点で、MRI検査やCT検査により脳室の拡大や脳全体の委縮の有無等を確認し、びまん性軸索損傷を認める運用がなされています。
被害者が成人であれば、自身で症状をある程度説明できることもあり、あるいは周囲の方が被害者と日常のコミュニケーションをとることが可能であることも多く、病院で検査を受けるきっかけができやすいといえます。
しかし、子どもの場合には、一般的に、成人と比べて自身の症状を適切に説明できないことが多いです。
また、成人と比べて日常生活の振る舞いが異常か否かの判断がつきづらいという側面もあります。
特に、身近にいるご家族からすれば、子どもに障害は残っておらず、順調に回復していると信じたいという気持ちから、見落とされてしまうこともあります。
このような事情から、事故からある程度時間がたっても、病院での検査を受けずに脳外傷の存在に気付かず、その結果、高次脳機能障害であることを見落としてしまうこともありえます。
したがって、ご家族は、事故後も子どもの様子に十分に注意を払い、前に話したことをすぐに忘れることが多くなっていないか、一つのことが続けられずすぐに他のことをやり始めたりするようになっていないか、周囲の人と衝突をすることが多くなっていないか、そのほか高次脳機能障害を疑わせる症状があれば、すぐに医師に相談するようにしましょう。
3 症状固定時期
これ以上治療を継続しても症状改善の可能性がなくなった状態(これを「症状固定」といいます。)に至ると後遺障害の申請手続を進めることになります。
症状固定時期を適切に判断しなければ、適切な等級認定を得ることができません。
成人であれば、自身の症状の変化や改善の傾向についてある程度自分で説明できることも多く、症状固定時期を適切に判断しやすいといえます。
しかし、子どもとりわけ幼児の場合には、症状について自分では説明できないことも多く、また、そもそも高次脳機能障害の発見自体がある程度時間がたってからであったり、回復力が成人よりも高いため治療が長きにわたることもあり、症状固定までの期間が長くなることもあります。
また、子どもの場合には現状大したことがなくても、発達阻害により障害程度の拡大も考えられるので、症状固定の時期にあるか否かについては、慎重に検討しなければなりません。
従って、子どもの高次脳機能障害の場合、症状固定時期は、幼稚園、学校での生活の適応状況なども踏まえて判断されるべきであり、事案によっては長期間にわたり、経過を観察する必要があります。
したがって、子どものために早く解決した方がよいのではなど、ご不安に思われるかもしれませんが、早期に症状固定するのは避けるべきであり、医師や弁護士とよく相談されることをおすすめします。
4 弁護士へのご相談は
当法人では、高次脳機能障害が残ってしまった場合、あるいは残りそうな場合に、自賠責保険で適切な等級認定が受けられるように受傷直後からサポートいたします。
また、後遺障害等級認定後も、適切な賠償金の支払いが受けられるよう、加害者側との交渉もさせていただきます。
ご家族が脳外傷のお怪我を負った場合には、お気軽に弁護士法人心 岐阜法律事務所にご連絡ください。
高次脳機能障害で弁護士に相談すべきタイミング
1 高次脳機能障害における弁護士相談の必要性
交通事故に遭い、脳にダメージを受けると、記憶力や理解力、集中力が低下したり、性格が変化するなどの症状がみられる高次脳機能障害が残ることがあります。
高次脳機能障害が残る場合には、被害者本人は事故前と同じようなコミュニケーションをとれなくなることが多く、判断力も低下することが多いため、保険会社とのやりとりを被害者本人が適切に行うことは難しくなるケースが多いです。
また、家族が保険会社とやり取りをするとしても、家族にとって負担となりますし、交通事故について十分な知識のない家族が保険会社とやりとりをすることによるリスクもあります。
そこで、早期に弁護士に相談し、場合によっては治療中の段階から保険会社とのやりとりに弁護士が介入したほうが良い場合があります。
また、この高次脳機能障害が自賠責保険で交通事故の後遺障害として認定されると、1級、2級、3級、5級、7級、9級のいずれかの等級がつきます。
被害者が寝たきりとなる等の要介護状態であれば1級または2級であり、そこまで至らなくても、症状の重さ、労働能力の喪失の程度等を考慮して3級、5級、7級、9級のいずれかが認定されます。
そして、上記の等級がかわると賠償額が大幅に(なかには何千万円単位で)変わります。
不当に軽い等級が認定されたり、等級が全くつかなかったりすると、被害者が本来受けるべき賠償を受けられず、大きく損をすることとなります。
このように重い後遺障害が残ることもあるため、適切な後遺障害等級の認定を受けられるよう、早期に弁護士相談して、治療についてアドバイスを受けておく必要があります。
2 弁護士に相談すべきタイミング
⑴ 受傷後できるかぎり早く
高次脳機能障害が残りそうな場合、受傷後できる限り早く弁護士に相談するほうがよいです。
前述のとおり、高次脳機能障害が残る場合は、自賠責保険で適切な後遺障害等級の認定を獲得することが重要です。
そして、適切な後遺障害等級の認定を獲得するためには、事故直後から被害者やその家族が気を付けておかなければならないことがたくさんあるからです。
例えば、適切な医療機関で治療が受けられているか、適切な検査を受けられているか、医師に伝えるべきことを適切な表現で伝えられているか、被害者の日常生活の様子で家族が記録すべきことを記録できているか、等です。
高次脳機能障害は、生じていることが明らかである場合だけではなく、高次脳機能障害が生じているかわかりにくい場合もあり、医師でも見落とすこともあります。
そこで、病院任せにするのではなく、ご家族の方も被害者の日常生活における様子をよく見るようにして、気づいたことがあればすぐ医師や保険会社に伝えるなどして、積極的に関わっていく必要があります。
そのためにも、受傷後できるだけ早い時期に弁護士に相談するようにしましょう。
⑵ 後遺障害申請前
受傷直後にご相談できなくても、後遺障害申請する前には弁護士に相談すべきです。
後遺障害申請の際には、必要な書類や資料をそろえ、自賠責保険に提出しなければならないのですが、高次脳機能障害の場合には、これが特に多いです。
医師に作成してもらわなければならない書類や、ご家族等の身近な方が作成する書類等、多岐にわたります。
そして、その記載内容も正確である必要があり、ご家族の方などは、実際には深刻な症状であるにもかかわらず、症状が軽いと思われてしまうような記載をするケースも多々見られます。
弁護士に相談・依頼すれば、被害者の正確な症状を把握し、しっかりと資料を準備して申請に臨むことができます。
⑶ 賠償交渉時
後遺障害等級認定の結果が出て、賠償交渉の段階であってもやはり弁護士に相談すべきです。
まずは、等級認定の結果が妥当なものか、アドバイスを受け、もし不当に軽い等級なのであれば、異議申立手続を行うことを検討すべきです。
そして、異議申立手続は弁護士に依頼することをお勧めいたします。
また、等級は妥当だとしても、賠償金額は保険会社からの提示どおりに示談してしまうと、大きく損をすることがあります。
保険会社金額の提示が妥当かどうか、必ず弁護士に見てもらうようにしましょう。
保険会社からの提示が不当に低い金額の場合は、弁護士が介入して金額が上がる可能性があります。
3 弁護士法人心にご相談ください
弁護士法人心では、多数の高次脳機能障害の事案を取り扱ってきた豊富な実績があります。
高次脳機能障害について少しでも気になることがございましたら、まずは弁護士法人心 岐阜法律事務所にご連絡ください。
高次脳機能障害でお悩みの方へ
1 高次脳機能障害とは
交通事故に遭い、頭部に強い衝撃を受けて脳を損傷することにより、いわゆる高次脳機能障害が生じることがあります。
高次脳機能障害の具体的な症状は、新しいことが覚えられない(記憶力の低下)、一つの作業に集中できずすぐに他のことをやり始める(集中力の低下)、会話や文章の内容が理解できない(理解力の低下)、少しのことで怒りっぽくなる、一つのことにこだわる、粘着質になる(人格変化)などの症状があります。
高次脳機能障害が生じると、周囲との衝突が多くなるなど、社会生活が円滑にできなくなることが多いです。
重度の高次脳機能障害では、介護が必要であることを念頭に置いた後遺障害等級1級や2級に該当したり、3級以下であっても、3級、5級、7級、9級と比較的高い等級とされていることから、高次脳機能障害は後遺障害の中でも程度の重い類型であるといえます。
2 高次脳機能障害のご家族への影響
高次脳機能障害は脳外傷によるため、事故後、意識障害が続くこともありますし、意識が回復したとしても長期の入院を余儀なくされることが多いです。
この間、ご家族は病院に泊まり続けたり、自宅と病院を何度も往復することもあります。
また、退院した後も、被害者が一人で通院することができない場合には、通院やリハビリに付き添わなければなりません。
更に、日常生活においても介護や見守りも必要となる場合には、ご家族の仕事や日常生活にも影響が出ます。
そして、認知障害、行動障害、人格変化などの症状のため、被害者が事故前とはまるで別人となってしまったという場合に、ショックを受けることも多いかと思います。
3 一人で抱え込まずに、弁護士を頼ってください
被害者の家族の方は、何の準備もなく、突然事故に遭い、高次脳機能障害が残った被害者の介護や見守りをしなければならなくなります。
その心身の負担は相当なものです。
同時に、加害者の保険会社や警察、医療機関からも頻繁に連絡が入り、その対応にも追われます。
このような状況のなか、ご家族が一人で抱え込んでしまい、精神的に参ってしまう方も少なくありません。
弁護士にご依頼いただければ、弁護士が窓口となり、保険会社対応を一手に引き受けることもできます(成年後見が必要な場合には窓口になるまで一定の時間を要することもあります)。
少しでもご負担を軽減するためにも、ぜひ、弁護士を頼ってください。
4 弁護士に依頼するメリット
⑴ 保険会社対応をお任せできる
まずは、弁護士が加害者や保険会社対応の窓口となりますので、被害者やその家族には加害者や保険会社から連絡がこなくなります。
保険会社からの連絡は、時には、聞きなれない専門用語を使って早口で話をされることも多く、素人である被害者や家族では適切な受け答えが困難であることもあります。
また、治療費の支払いを保険会社都合で打ち切る旨の打診を受けることもあります。
これらの連絡にすべて対応していると、被害者や家族にとって相当な心身の負担になりますし、適切な対応ができないことで不利益を被る可能性も否定できません。
⑵ 適切な等級認定を目指して後遺障害申請手続をお任せできる
高次脳機能障害が残った場合は、症状固定時に、適切な後遺障害等級を獲得できるかが大きなポイントとなります。
後遺障害等級が変われば、得られる賠償金額が大きく変わってくるからです。
ここで、後遺障害申請手続きは、保険会社が主導する事前認定手続きと、被害者側が行う被害者請求があります。
高次脳機能障害は、脳機能の低下や社会生活への支障の程度を示すために様々な資料収集が特に必要となりますが、事前認定手続きでは、十分な資料収集がなされるとは限りません。
これに対し、被害者請求で後遺障害を申請する方場合には、十分な資料の収集・提出をすることができます。
被害者側の資料収集の負担について不安に思われるかもしれませんが、弁護士に依頼すれば、面倒な資料の収集・提出は弁護士が行ってくれます。
したがって、適切な後遺障害等級を獲得するには、弁護士に依頼して、被害者請求で行うのが最も良いでしょう。
⑶ 適切な賠償額を目指して賠償交渉等をお任せできる
高次脳機能障害の事案では、認定を受けた後遺障害等級を踏まえ、最後は適切な賠償金額を獲得できるよう、賠償交渉をしなければなりません。
そして、高次脳機能障害の場合は、後遺障害逸失利益、将来介護費や住宅改造費など金額が大きい項目が問題となることがあります。
これらの項目は、保険会社から提示される金額は低いことが少なくありません。
また、将来の介護費が必要な場合でも、1級、2級以外の等級では介護が必要であることを前提とする等級ではないため、保険会社側から、介護の必要性や金額について強く争われることがあります。
適切な賠償額を獲得するための交渉等も弁護士にお任せすることができます。
5 弁護士法人心にご相談ください
高次脳機能障害の事案では、ご家族に相当な負担がかかります。
弁護士法人心では、交通事故チームを作り、これまでに多数の高次脳機能障害の事案を取り扱い、最大限サポートを行ってきました。
高次脳機能障害の事案で少しでもお悩みのことがあれば、ぜひ、弁護士法人心 岐阜法律事務所までご連絡ください。
交通事故と高次脳機能障害の特徴
1 自賠責保険における高次脳機能障害
交通事故で脳を損傷することにより理解力、集中力、記憶力などが低下し、あるいは周りの人とトラブルをよく起こすようになるなど、認知機能の障害や人格変化等が生じることがあります。
このような障害を高次脳機能障害といいます。
ある程度治療を継続し、改善の見込みがない状態となれば、症状固定となり、自賠責保険に後遺障害の申請をします。
そして、事故の賠償としては、自賠責保険による等級認定結果を参考とすることが多いです。
ここでは、自賠責保険における高次脳機能障害の特徴について、お話します。
2 「脳外傷」によることについて
まず、高次脳機能障害が脳外傷により生じたものであるという関係が必要です。
というのは、交通事故では、脳への外傷を伴わずに精神障害を起こすことがありますが、これは「脳外傷」によらないため、非器質性精神障害として、高次脳機能障害とは区別されています。
事故直後の診断で、脳挫傷、外傷性クモ膜下出血等の診断名がつけられた場合には、脳外傷により高次脳機能障害が生じていると考えてよいでしょう。
3 認知障害、行動障害、人格変化などの症状について
高次脳機能障害の典型的な症状として、次のものがあります。
これら症状により、社会生活への適応能力が低下し、仕事や就学などに支障が生じることがあります。
⑴ 認知障害
認知障害として、記憶力の低下(つい最近のことでも覚えていない等)、集中力の低下(一つのことが続けられずにすぐほかのことをやり出す、気が散りやすい等)、理解力の低下(話の内容が理解できず会話がかみ合わない等)、遂行機能障害(正しい順序で開始、行動できない等)などがあります。
⑵ 行動障害
行動障害については、周囲の状況に合わせた適切な行動ができない、行動を抑制できないといったものがあります。
⑶ 人格変化
人格変化では、一つのことにこだわる、自己中心性が高まる、怒りやすくなる、ねんちゃく質になる等があります。
4 症状の推移について
受傷初期である急性期が最も症状が重く、時間の経過とともに症状が改善することが多いと考えられています。
被害者が年少の場合には、脳機能の回復力が高いため、なおさらその傾向があります。
そして、上記のように、高次脳機能障害は周囲と調和がとれなくなることも症状に含まれますので、学校や職場などに復帰ができる場合には復帰した上で、学校や職場にどの程度なじむことができているのかも見極めなければなりません。
そのため、個々の事案にもよりますが、症状固定までの症状の推移は、ある程度時間をかけて、観察していく必要があることが多いです。
5 見過ごされやすい障害
高次脳機能障害は見過ごされやすい障害ともいわれています。
例えば、びまん性軸索損傷による場合、受傷直後の画像検査では異常が見られない場合があります。
また、被害者本人では受傷前後の性格などの変化に気づきにくいことが多いです。
したがって、高次脳機能障害であることを見過ごされないよう、例えば、事故後の意識障害の有無・時間や、被害者の事故前後の振る舞いの変化などについて、ご家族や周りの人がしっかりと観察し、変化があった場合には、たとえ小さなものであったとしても記録しておくことが大切です。
6 弁護士にご相談を
弁護士法人心では、高次脳機能障害が残ってしまった場合でも適切な等級や賠償を受けられるように、受傷直後から手厚いサポートを行っています。
ご家族が脳外傷のお怪我を負った場合には、お気軽に弁護士法人心 岐阜法律事務所にご連絡ください。
高次脳機能障害と成年後見制度
1 高次脳機能障害
交通事故で頭部に受傷し、脳に損傷があった場合、後に高次脳機能障害が残ることがあります。
高次脳機能障害が残ると、記憶力、理解力、集中力等がなくなるか著しく劣るようになります。
また、協調性が欠け周りの人間と衝突することが多くなることもあります。
高次脳機能障害にも軽いものから症状の重いものまで様々ですが、重いものになると、意思疎通がまったくできないものもあり、ご自身で交通事故の示談交渉をすることは困難となることもあります。
このような点をサポートするために、成年後見制度があります。
成年後見人は、判断能力が不十分になった人をサポートするため、本人の財産を管理し、また、本人の身上監護を行います。
成年後見人をつけておけば、成年後見人がご本人に代わって様々な契約やその締結交渉をしたりすることができるようになります。
2 成年後見制度の手続き
成年後見人を選任する申し立てをしなければなりませんが、その申立先は、ご本人が住所地を所轄する家庭裁判所です。
必要書類の案内や書式は、裁判所に行けば窓口でもらえます。
また、郵送で取り付けることもできます。
更に、岐阜家庭裁判所であれば、ホームページからダウンロードすることもできます。
主な必要書類は、医師が作成する成年後見申立て用の診断書や意見書、戸籍謄本や住民票、本人の健康状態に関する資料や、本人の財産に関する資料等です。
必要書類の詳細については、裁判所のホームページをご覧いただければと思います。
3 候補者の記載について
申立書等には、後見人の候補者を記載することもできます。
後見人の候補者として、本人の親族等を記載することが多いです。
後見人に誰を選任するかは、家庭裁判所が様々な事情を総合考慮して判断するため、申立書に記載した候補者が必ず選任されるというわけではありません。
しかし、しっかりと事情を説明すれば、考慮されます。
また、候補者を記載しておかないと、全くの第三者である弁護士などが選任される場合が多いです。
したがって、ご家族や特定の弁護士を後見人にお考えの場合には、候補者として必ず記載するようにしましょう。
4 弁護士にご相談を
このように、高次脳機能障害の事案では、ご本人の状況の程度によっては、成年後見の申立てが必要となります。
保険会社対応だけでなく、成年後見の申立てもご家族で対応するのはとても大変なことと思います。
高次脳機能障害でお困りの場合には、お気軽に弁護士法人心 岐阜法律事務所にご連絡ください。
高次脳機能障害の後遺障害等級認定
1 高次脳機能障害の後遺障害
交通事故に遭い、高次脳機能障害が残った場合、自賠責保険の後遺障害等級表に従って、後遺障害の等級が認定されます。
高次脳機能障害の後遺障害は、その程度により、1級から9級に分類されます。
具体的には、次の通りです。
- 1級1号 「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」
- 2級1号 「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの」
- 3級3号 「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの」
- 5級2号 「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの」
- 7級4号 「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」
- 9級10号 「神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
1級が最も重く、食事や排せつといった、生命維持に必要な身の回りの処理の動作を自力で行うことができず、常に他者の介護が必要な状態のことを指します。
9級が症状としては最も軽度であり、これは、通常の労務が可能ではあるものの、問題解決能力などに障害が残り、作業効率や作業持続力などに問題があるため、就労可能な職種の範囲が一定程度制限を受けることを指します。
2 後遺障害の審査
先に挙げたような等級認定は、次のような審査を経て行われます。
⑴ 脳外傷による高次脳機能障害であること
まず、後遺障害の審査では、交通事故により脳を外傷したかが問題となります。
具体的には、まず、交通事故による脳の受傷を裏付ける画像検査結果があることです。
CTやMRI等の検査結果で画像所見があることが重要です。
また、事故後、一定期間の意識障害が継続したかが極めて重要です。
事故後、半昏睡~昏睡で開眼・応答しない状態が6時間以上継続すると、高次脳機能障害が残る可能性が高くなるといわれています。
更に、記憶力や集中力、理解力などの認知障害、人格障害(周囲との衝突が多くなる、感情の起伏が激しくなる、怒りっぽくなるなど)の一定の異常な傾向が生じているか、などの点がポイントとなります。
したがって、頭部を受傷した場合には、MRIやCT等の画像検査を受けておくことは必須ですし、また、事故前と事故後で被害者の言動で変わったところはないかをよくよく観察し、記録しておくことが重要です。
⑵ 障害等級認定の基準
脳外傷による高次脳機能障害が残ったと認められる場合、次は、その障害の程度によって等級が分けられます。
具体的には、障害される能力を、「意思疎通能力(記銘・記憶力、認知力、言語力等)」、「問題解決能力(理解力、判断力当)」、「作業負荷に対する持続力・持久力」及び「社会行動能力(協調性等)」の4つに分類して、これらの能力がどの程度喪失されたのかを総合的に判断して等級認定が行われます。
これらは、自賠責保険への後遺障害申請の際、「神経系統の障害に関する医学的所見」や「日常生活状況報告書」などの書面の記載内容がポイントとなります。
「神経系統の障害に関する医学的所見」は、医師に作成いただきます。
「日常生活状況報告書」は、本人の家族等身近な人が作成するもので、交通事故で受傷する前後の本人の様子を比べ、その変化を6段階で評価します。
したがって、ご家族は、本人の事故前後の変化などをしっかり把握して、医師に対してもその内容を伝えておくべきでしょう。
3 後遺障害の申請を弁護士に依頼するべきか
自賠責保険における後遺障害等級認定を受けるためには、必要書類をそろえて自賠責保険に提出しなければなりません。
そして、自賠責保険の審査は書類によって行われますので、後遺障害申請について特に知識がない交通事故被害者の方が申請する場合、申請時に提出した検査資料が不十分だったため、本来得られるべき等級が認定されないことも起こりえます。
後遺障害等級の認定が受けられなかったり、不当に軽い等級だった場合は、その後得られる賠償額は大きく変わります。
交通事故で被害を受けた方が、適正な賠償を受けられるよう、弁護士法人心では、高次脳機能障害を含めた後遺障害に関するご相談をお受けしています。
岐阜市にお住まいの方で、高次脳機能障害について詳しく話を聞きたいという方は、弁護士法人心 岐阜法律事務所へご相談ください。
高次脳機能障害に関する弁護士費用
1 交通事故と高次脳機能障害
交通事故によって負傷したことで、高次脳機能障害を患ってしまうことがあります。
高次脳機能障害が残ってしまうと、事故前とは人格が変わってしまったような状態が現れます。
記憶力や理解力、注意力、集中力が低下したり、周りの人との衝突が多くなったりします。
もちろん、高次脳機能障害にも症状の重さには差があり、重い人もいれば、軽い人もいます。
より重度の高次脳機能障害だと、ほとんど自分では何もできなくなってしまった、という症状になりますし、軽度なものだと、身近な人にだけわかる性格の変化という場合もあります。
2 高次脳機能障害を弁護士に頼むべきか
交通事故により高次脳機能障害が発生したと認められる場合、高次脳機能障害が事故の後遺障害として自賠責保険において認定されることが多いです。
後遺障害は、これが認められると、賠償金の内容に、後遺障害関連の項目が追加されます。
具体的には、入通院に対する慰謝料等に加えて、後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益等が認められることになります。
賠償項目が増えることと、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益は後遺障害とは関係がない項目と比べ金額が大きいことが多いので、後遺障害の有無は賠償額に大きな違いをもたらすものということができます。
特に、重い等級の後遺障害が認められた場合には、賠償額は何千万円単位で変わることもあります。
そして、その賠償額の計算は、弁護士を入れることで増額できることが多いです。
保険会社基準の賠償額と弁護士基準の賠償額とでは、大きな違いがありますので、弁護士に頼むことでさらに賠償額の増額が見込めるのです。
3 高次脳機能障害に関する弁護士費用について
⑴ 弁護士費用特約がある場合
弁護士法人心では、ご自身の加入している保険に弁護士費用特約がある場合、弁護士費用については、限度額を超えない限り、その保険会社から支払われますので、弁護士費用についてご心配いただく必要はございません。
※賠償金が高額(何千万円単位)になる場合は、弁護士費用特約の上限を超えることがあります。ただし、その場合は弁護士費用を支払っても十分賄える程度の賠償金が得られる場合が多いです。
⑵ 弁護士費用特約がない場合
この場合、基本的に着手金はいただいておりません。
最終的に相手方から獲得した金銭の中から、19万8000円及び獲得金額の8.8%を成功報酬金としてお支払いいただくことになります。
また、後遺障害の申請手続きも弁護士に依頼して等級認定された場合には、等級に応じて一定の報酬金をいただくことになります。
(案件の内容や難易度等によっては、金額が異なる場合があります。ご契約前に弁護士がご説明させていただきます。)。