「高次脳機能障害の損害賠償金(示談金)」に関するお役立ち情報
交通事故による高次脳機能障害について,後遺障害等級と慰謝料の関係
1 後遺障害の等級認定
交通事故における後遺障害は,保険料率算出機構という等級認定機関によって審査され認定されるものです。
等級は14等級あり,数字が低いほど高い等級,つまり重い後遺障害と判断されます。
2 高次脳機能障害の後遺障害等級
高次脳機能障害は,脳損傷に関する後遺障害で,1,2,3,5,7,9級となる可能性があります。
仮に,高次脳機能障害と認定されなかった場合でも,12級,14級に認定される可能性があります。
後遺障害等級認定には,併合等級といって,複数の後遺障害がある場合に,総合して等級を判断する場合があります。
例えば,9級の高次脳機能障害と,13級の別の後遺障害が残ったと認定されれば,併合して8級の後遺障害という認定となります。
通常,高次脳機能障害となるような交通事故にあった場合,頭部以外も受傷し,別の後遺障害が残ることも少なくありません。
そうすると,高次脳機能障害がかかわる場合には,14等級のほとんどすべての等級と認定される可能性があるということができます。
3 高次脳機能障害の等級認定と慰謝料
慰謝料には,入通院にかかわる入通院慰謝料と,後遺障害にかかわる後遺障害慰謝料に大きく分けることができます。
後遺障害が重ければ重いほど,基本的に後遺障害慰謝料も高額になる傾向があります。
ただし,自賠責で認定された等級に応じて,裁判所で後遺障害慰謝料の額が判断されるわけではありません。
裁判では保険料率算出機構での等級認定はあくまで一判断,一証拠でしかありません。
事案によっては,保険料率算出機構での認定結果が裁判上で覆されることもあります。
しかし,基本的には,裁判上でも保険料率算出機構による等級の認定結果を重視し,それに沿う判断をすることが少なくありません。
そのため,どのような等級認定を受けるかは,最終的な賠償額に大きな影響を与える要素となるといえます。
4 弁護士法人心での後遺障害申請
弁護士法人心では,保険料率算出機構出身のスタッフと後遺障害申請を得意とする弁護士らが後遺障害チームを組み,後遺障害申請のサポートから行っております。
弁護士法人心では,高次脳機能障害等の難しい後遺障害案件でも的確にサポートし,弁護士,事務スタッフ含め,慰謝料等適切な賠償を受けられるよう尽力しております。
お役立ち情報トップへ 交通事故による高次脳機能障害の慰謝料の決め方
交通事故による高次脳機能障害の慰謝料を決める際の考慮事項
1 高次脳機能障害とは
歩行者や自転車に乗っている方が交通事故に遭った際,自動車に衝突された衝撃で転倒するなどして,頭を強く打ち,脳が損傷を受けることがあります。
そして,その影響で事故前と比較して記憶力が減退したり,会話がかみ合わなくなったり,性格が変わってしまったりすることがあります。
高次脳機能障害には,このような症状が出ることが特徴的です。
2 高次脳機能障害の慰謝料
高次脳機能障害の慰謝料の金額は,認定された後遺障害の等級によって異なり,等級はその症状の重さによって決まります。
- ① 生命維持に必要な身の回りの動作に全面的介護を要するなど,「常に介護を要するもの」であれば1級となり,後遺障害慰謝料の金額は2800万円が目安となります。
- ② 日常の生活範囲が自宅内に限られていたり,生命維持に必要な動作に家族からの声かけや看護を欠かすことができないなど,「随時介護を要するもの」であれば2級となり,後遺障害慰謝料の金額は2370万円が目安となります。
- ③ 記憶力や注意力,新しいことを学習する能力,対人関係等に障害があるなど,「終身労務に服することができないもの」であれば3級となり,後遺障害慰謝料の金額は1990万円が目安となります。
- ④ 単純は繰り返しの作業であればできるが,新しい作業を覚えられなかったり,環境が変わると作業できなくなるなど,「特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの」であれば5級となり,後遺障害慰謝料の金額は1400万円が目安となります。
- ⑤ 作業の手順が悪い,約束を忘れる,ミスが多いなど,「軽易な労務以外の労務に服することができないもの」であれば7級となり,後遺障害慰謝料の金額は1000万円が目安となります。
- ⑥ 一般就労は可能であるが,問題解決能力等に障害があり作業効率や作業維持力に問題があるなど,「服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」であれば9級となり,後遺障害慰謝料の金額は690万円が目安となります。
3 高次脳機能障害のご相談は弁護士法人心まで
このように,高次脳機能障害の慰謝料金額は,認定された等級によって大幅に変わります。
そして,どの等級が認められるかは,被害者の方の症状の変化にご家族の方がどこまで気づき,医師にその症状を伝えられるかによって変わりうるため早めに弁護士に相談した方が良いでしょう。
高次脳機能障害のご相談は当法人までご相談ください。