「高次脳機能障害の損害賠償金(示談金)」に関するお役立ち情報
高次脳機能障害について裁判すべき場合
1 高次脳機能障害
高次脳機能障害とは,脳の損傷により生じる認知機能の障害をいいます。
具体的には,注意障害,記憶障害,遂行機能障害,社会的行動障害などの認知障害等が生じる障害をいいます。
交通事故によって,脳が損傷した結果,高次脳機能障害となる事案も珍しくありません。
2 自賠責による後遺障害等級の際のポイント
高次脳機能障害での後遺障害等級認定のためには主として⑴脳損傷につながる傷病名が確定診断されていること,⑵画像所見が得られていること,⑶意識障害,もしくは健忘症あるいは軽度の意識障害が存在すること,⑷高次脳機能障害の症状と一致する症状が存在すること,という4つのポイントが重要です。
3 高次脳機能障害について裁判すべき場合
高次脳機能障害は,自賠責保険会社の後遺障害認定基準である画像所見がない場合で非該当となるケースが多いです。
しかしながら,自賠責保険会社による後遺障害認定がされない場合であっても,裁判においては,事故態様や意識障害の程度,被害者の症状などを総合的に判断して,高次脳機能障害の認定がされるケースもあります。
また,裁判において,高次脳機能障害の認定がされないものの,器質性の精神障害として認定して,症状に応じた後遺障害等級を認定したケースもあります。
以下の裁判例のとおり,自賠責保険会社の後遺障害認定基準を満たしていない場合であっても,裁判によって適正な賠償額を見込めることがあります。
- ⑴ 札幌高判平18・5.26(判時1956号92頁)
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事故後の意識障害が「目の前が真っ暗」になった程度で脳委縮等の画像所見もない被害者について,機能画像や神経心理学的検査結果,医学的意見書の内容を考慮して,高次脳機能障害であると認定した。
- ⑵ 名古屋地判平24・2・24(自保ジャーナル1872・1)
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脳室拡大・脳委縮等の画像所見がなく意識障害の程度も低いが入院時から記憶障害等が現れていたこと等から,自賠責が非該当とした精神障害を脳の器質性精神障害として7級を認定した。
4 弁護士法人心
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