交通事故による『高次脳機能障害』は弁護士法人心まで

「高次脳機能障害の損害賠償金(示談金)」に関するお役立ち情報

高次脳機能障害案件は裁判になりやすいのか

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2022年1月18日

1 裁判にする目的・意図

裁判にするかどうかは、基本的には、裁判にした方が賠償金額が上がる可能性が高いかで判断します。

2 高次脳機能障害案件における保険会社の回答金額の傾向

高次脳機能障害案件の損害額(訴訟基準)は、後遺障害慰謝料及び後遺障害逸失利益の各項目が、それぞれ数百万円から数千万円になることもあるほど高額となります。

しかし、高額案件であればあるほど、示談段階では、保険会社は訴訟基準満額を賠償してくれないことが多いのが実情です。

そうすると、裁判(訴訟)まですれば、賠償額が数百万円から数千万円上がる可能性が出てくることになります。

この点からすると、賠償金額がそこまで高くはないむちうち等の案件よりは、高次脳機能障害案件の方が裁判になる確率は高いといえます。

※この記事については、裁判と訴訟は同じ意味で使用しています。

3 訴訟することの注意点

⑴ 解決までの期間が長期化する

示談であれば、示談交渉開始から、だいたい数週間から1~2か月程度(場合によってはもう少しかかることもあります。)で解決できます。

しかし、訴訟となれば、通常6か月から1年以上かかることがあります。

⑵ 示談段階の最終回答金額以上の賠償金が保証されるわけではない

例えば、示談段階で保険会社の最終回答金額が2000万円であった場合、訴訟をすれば必ず2000万円以上になるわけではありません。

訴訟をして、金額がどれくらい上がりそうか、下がりそうかの見通しについては、担当弁護士からの説明をしっかりと聞いてください。

⑶ 当事者尋問が実施される可能性あり

そこまで確率が高いわけではありませんが、交通事故の訴訟では、和解に応じられない場合などに当事者尋問が行われることがあります。

当事者尋問では、後遺障害の状況や事故状況などを主に聞かれることが多いです。

4 訴訟提起の決断

結局は、①訴訟すれば時間がかかってしまうが、訴訟基準という適切な賠償金額を得られる可能性を追求していくのか、②早期解決を優先して訴訟基準よりは割安な賠償金額で我慢するか、を天秤にかけて(利益衡量して)訴訟するかどうかを決断することになります。

訴訟提起の決断は、担当弁護士のアドバイスを参考にしながら、被害者本人(ないし保護者、成年後見人、保佐人など)で最終的にはご決断していただくことになります。

5 訴訟すべきか迷ったら当法人までご相談ください

もし、保険会社から損害賠償額の提案をされた方で、この金額が妥当であるのか、訴訟をした方がいいのか迷っている方がいらっしゃいましたら、お気軽に当法人の交通事故担当弁護士までご相談ください。

弁護士紹介へ

スタッフ紹介へ