「高次脳機能障害の後遺障害」に関するお役立ち情報
高次脳機能障害の症状と後遺障害
高次脳機能障害になった場合どのような賠償金を受け取れるか 高次脳機能障害の後遺障害等級認定のポイント
高次脳機能障害における症状固定
1 症状固定とは
事故などにより怪我をした後、治療が開始され、症状の改善を図ることとなります。
しかしながら、怪我の内容によっては、治療を継続しても回復が見込めない場合があります。
例えば、事故により関節を負傷し、その動きに制限が生じたり痛みを生じたりしたのに対し、リハビリにより機能の回復に努めたものの、結局、上記の制限や痛みが解消しないという場合です。
このように、治療やリハビリを継続しても症状の改善が見込まれなくなった状態を症状固定といいます。
2 高次脳機能障害における症状固定
高次脳機能障害においても、受傷後直ちに症状固定となるものではなく、まずは、原因となる脳の損傷の回復、ついで脳機能それ自体の回復に努め、その後症状が不変となった状態において症状固定となります。
脳機能の回復については、リハビリが行われます。
国立障害リハビリテーションセンターのホームページによると、医学的、生活訓練及び就労移行支援プログラムの順にリハビリが行われるとされています(参考リンク:国立障害者リハビリテーションセンター・高次脳機能障害の標準的リハビリテーションプログラム概要)。
3 症状固定時期の判断と、これがもたらす効果について
症状固定の時期については、医師の診断に基づき、後遺障害診断書診断書の所定欄である「症状固定日」の欄に、症状固定した日の日付が記載されます。
高次脳機能障害の原因となった事故につき、相手方に賠償義務がある場合、治療費の賠償義務については、症状固定日までの治療費に限られます。
症状固定日以後に治療を続け治療費を負担したとしても、症状の改善につながらない以上、必要な費用とは認められないためです。
事故により後遺障害が残った場合、後遺障害を理由とする損害賠償請求をすることができますが、この請求の時効は、症状固定日(症状固定の診断を受けたとき)より進行するものとされています。
症状固定日をいつの日とするかの判断をする際、ほとんどの事例では、後遺障害診断書に記載された症状固定日をそのまま当てはめます。
しかし、まれに、症状固定日が、記載よりも前に生じていたとして争われる場合があり(上記のとおり、症状固定日以後の治療費について、相手方は賠償義務を負わないため。)、この場合は、医療記録の記載などを基に、症状が不変となった時期がいつかにつき、判断することになります。
4 弁護士にご相談を
症状固定とされることにより、上記のとおり様々な影響を与えるため、おろそかにすることはできません。
当法人には、症状固定を含め、高次脳機能障害により生じる様々な問題について対応できる弁護士及びスタッフがおります。
お困りの際は、お気軽に当法人にご相談ください。